クレジットカード裏面サインの意味と基礎知識|サインをしないことが危険な理由

日付:2019-06-17  カテゴリ:クレジットカードの基本

現金がない時でも支払いができるクレジットカードは、今やなくてはならない存在でしょう。

そんな便利なクレジットカードですが、利用者の中には海外で不正利用されないためにあえてサインを書かないという人もいるようです。

しかし実は、サインを書かないことが危険なことなのはご存知でしょうか。

そこで、この記事ではクレジットカードの裏面サインの意味と、サイン無しがなぜ危険なのかについてご説明します。

正しい知識をもち、安心してショッピングや旅行が楽しめるようぜひ最後まで読んで知識を深めましょう。

なぜクレジットカードのサイン欄にサインをしないと危険なのか

クレジットカードを手に入れたら、裏面にある署名欄にサインをしなければなりません。

これは、クレジットカードの利用規約や、カードによってはカードそのものに記載されています。

サインをしないで困るのは、何も利用ができなくなるという点だけではありません。

他にも大きなリスクを抱えることになります。具体的に何が危険なのか見ていきましょう。

サインをしていないと不正利用の保障をしてもらえない

クレジットカードには、不正利用された時に備えて「保障制度」というものが用意されています。

例えば、カードを第三者に利用された場合、その損害額を補償してもらえます。

しかし、署名欄にサインがないカードが不正利用された場合、この保障制度の対象外となってしまいます。

ほとんどのカード会社では「故意または重大な過失に起因する損害」を補償対象外としており、サインがないというのは「重大な過失」と判断されてしまうからです。

勝手にサインされて不正利用されてしまうかもしれない

「サインがないカードは利用できないのだから、不正利用もされないのでは?」と考える人もいると思います。

しかし、署名欄が空欄というのは、そこに「勝手にサインされてしまう」リスクがあるということです。

自分ではない第三者が署名欄にサインし買い物をしようとした場合、店側では不正利用かどうかの判断ができません。

裏面サインと支払い時のサインが同じであれば、店側は何の疑いも持つことはないでしょう。

店側にクレジットカードの利用を拒否されることがある

ここまでの話を聞いて、「署名欄にサインをしていないけど、これまで普通に利用できた」という人も中にはいると思います。

本来は店側が裏面を確認し、サインと支払い時のサインを照合する決まりですが、最近では暗証番号での取引や支払い時のサインを必要としない決済方法も増えてきました。

そのため、対応する店員さんによってはこうした決まりを知らない人もいるようです。

しかし、セキュリティに対する意識は年々向上しています。

「あの店では使えたから」というのは今後通じなくなると思っておいた方が無難でしょう。

クレジットカードの裏面にサインをしよう

署名欄のサインの必要性や、しない場合の危険性についてはおわかりいただけたでしょうか。

さっそくサインをしようと思っている人のために、サインの仕方や、ちょっとした豆知識をご紹介します。

お手元にクレジットカードがある方は、ぜひ裏面を見ながら読んでみてください。

フルネームで書く必要はない

サインは、漢字やアルファベットを使ってフルネームで書かなければいけないと思っていませんか。

実は、サインをフルネームで書かなければならないという決まりはありません。

苗字のみ、名前のみというサインでもいいのです。

例えば、「鈴木次郎」という人であれば、「鈴木」でも「次郎」でも大丈夫です。

また、アルファベットで書く場合も、フルネームではなく「S.J」などイニシャルでも問題ありません。

さらに漢字やアルファベットだけでなく、ひらがな、カタカナ、外国の文字、崩し文字などどのような文字でも使用可能です。

極端に言うと文字でなくてもいい

苗字のみ、名前のみ、またはイニシャルだけだと誰がサインしたかわからないようにも思えます。

しかし、裏面サインは自分がそのクレジットカードで支払ったことを証明するためのものに過ぎません。

真似されにくく、自分が書いたということを客観的に証明できるのであれば、極端な話 “文字のようなもの”でも良いということになります。

ただし、あまりに常識外れのサインは店員に不審がられる可能性も高いため、オススメはできません。

サインに使うペンはどのようなものが良いのか

裏面サインは、そのカードの所有者を表し、本人が支払うことを店側が確認するためのものです。

そのため、すぐに消えてしまうようなペンはNGです。

サインに使うペンは、サインペンなら油性のものを、ボールペンなら太目0.8㎜以上のしっかりと書けるものを選ぶようにしましょう。

水性のサインペンだと書いた文字が消えてしまいます。

また、普通のボールペンだと細すぎてサインが見えにくくなる可能性があるため注意が必要です。

サインの訂正や上書きはNG サインに失敗してしまったらどうするか

油性サインペンやボールペンは一度書いたら消せないため、慎重に書くようにしてください。

書き損じてしまっても書き直しができないからです。

もし書き直しを許してしまった場合、第三者の不正利用を許すことにつながります。

そのため、どのカード会社でも書き直しは認められていないのです。

どうしても訂正したい場合は、カード会社に連絡して再発行手続きをしてもらいましょう。

ただし、再発行手数料がかかったり再発行まで時間がかかったりしてしまう場合があります。

家族カードは誰がサインするか

家族カードを利用する場合、本カードの持ち主の名前でサインをすると思っていませんか。

家族カードは、カード表面に書かれている家族が利用するものです。

そのため、裏面サインもその家族が書きます。

もし本カードの持ち主の名前でサインをしてしまうと、支払い時に家族名義で会計した伝票のサインと相違してしまいます。

最悪の場合、そのカードの利用を断られる可能性もあります。

そのため、家族カードのサインは必ず実際に利用する家族の名前でするようにしましょう。

クレジットカード裏面サインでセキュリティが強化できるか

裏面にサインをすることで、不正利用時に補償対象外となったり、勝手にサインをされて使われてしまったりするというリスクを減らすことができます。

そうすると、サインをしておけばセキュリティ面が強化されるのではないかと考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで、裏面にサインをすることの効果についてご説明します。

模倣されにくいサインはセキュリティの強化になる

結論から言うと、裏面サインはセキュリティの強化につながるといえます。

ただしそれは、「サインさえしておけばOK」ということではなく、模倣されにくいサインをした場合です。

そもそもサインの役割は、支払い時の伝票とカード裏面のサインの筆跡を確認し、照合させることにあります。

サインが模倣されにくいものであれば、不正利用時のサインと相違する確率が高くなります。

そのため、サインには不正利用を防ぐ一定の効果があるのです。

漢字サイン=セキュリティ対策ではない

模倣されにくいサインと聞いて漢字のサインを思い浮かべる人も多いかもしれません。

確かに、海外で利用する場合、アルファベットより漢字で書いた方が模倣されるリスクは低くなります。

しかしクレジットカードは海外だけでなく国内でも利用します。

国内であれば、当然日本人が不正利用することも考えられるため、漢字サインだからといって安心はできません。

単純に漢字だから大丈夫、アルファベットだからダメ、と考えるのは避けた方が良いでしょう。

書きなれた自分の筆跡で書くことが大事

海外でクレジットカードを利用することが多い人は、アルファベットの方が読みやすいとあえて漢字で書かない人もいます。

確かに、外国人で漢字を読める人は極めて少ないと思います。

しかし、海外の店舗は日本と比べると筆跡によるチェックが厳しめに行われます。

漢字は読めなくても、筆跡や字体などでしっかりと確認してくれるため、漢字であっても問題ありません。

逆になれないアルファベットで書くと筆跡に違いが表れ利用を断られてしまう可能性もあります。

そのため、書きなれた自分の筆跡で書くということが大事なのです。

クレジットカード裏面サインの注意点

サインの仕方は先ほど述べた通り、どのようなものでも大丈夫です。

しかし、カード利用時にはいくつか注意しなければならないことがあります。

また、サインを変更したい場合などはどうするべきなのでしょうか。この2点についてご説明します。

支払い時のサインはクレジットカード署名欄と同一でなくてはならない

店側がクレジットカードの決済を受け付ける時、「カードの裏面と支払い時の伝票サインが同一であるか照合する」というルールになっています。

もしそれぞれのサインが異なる場合、店側は不正利用を疑ってそのカードの利用を断る権利をもっています。

自分の字にコンプレックスを抱いている人はなるべく綺麗に書きたいと思うかもしれませんが、サインの目的はあくまでも「支払い時の照合」です。

そのため文字の綺麗さは関係ないのです。

また中には代筆を考える人もいますが、代筆はクレジットカードの契約違反となりえるためしないようにしてください。

サインを勝手に変更してはいけない

サインに失敗したからといって、訂正や上書きはするべきではありませんが、では、結婚や離婚などをして苗字が変わった場合はどうなのでしょうか。

その場合でもサインだけを勝手に変更することはできません。

そもそも改姓があった場合、カード利用者は規約で定められた方法で名義変更の手続きをする義務があるからです。

サインを変更しなければならない事情があった時は、カード会社で必要な手続きを取り、新しいカードが届くのを待ってから行うようにしましょう。

クレジットカードのサインの要不要と電子化

街中でクレジットカードを利用する際、サインを求められる場合とそうでない場合があるでしょう。

コンビニエンスストアやファミリーレストランでは、サインより暗証番号の入力を求められることの方が多い可能性があります。

また、急速に進む電子化の波はクレジットカード業界にも押し寄せています。

ここからは支払い時のサインの要不要や電子化について説明します。

サインが必要な店と不要な店の違い

クレジットカードの利用時に、サインではなく暗証番号の入力を求められることがあります。

暗証番号で決済するためには、店側が専用の端末を導入しており、なおかつ利用者側が「ICチップ付きのカード」を持っている必要があります。

専用の端末がなかったり、利用者のカードがICチップ付きでなかったりした場合は、通常のサイン式で決済を行います。

また最近では、サインも暗証番号も不要のサインレス決済を導入している店舗もあります。

サインレス決済は、コンビニやスーパーなど比較的支払いに迅速性が求められ、少額の利用で済む店舗があらかじめカード会社と契約を結ぶことで利用できます。

クレジットカード利用時のサインが電子化されている

支払時のサインといえば、伝票に直接ボールペンで書くのが一般的です。

しかし最近では、伝票がペーパーレス化され、紙ではなく電子端末にサインすることが増えてきました。

具体的には、「こちらにサインをお願いします」と店員からペンタブレットを提示され、ペンタブレットの液晶画面にサインするという方法です。

店側としては伝票を紛失するリスクを抑え、決済履歴をデータで探しやすくなるという利点があります。

海外でクレジットカードを利用する際に知っておきたい「サイン」について

海外でクレジットカードを使う場合、日本と同じような手順で利用することができるのでしょうか。

また、お店などでどのような言い方をされた時にサインをすればいいのでしょうか。

海外でクレジットカードを利用する際に知っておいてもらいたいことをご紹介します。

「サインお願いします」は英語で何というか

海外の店舗でショッピングをする場合でもクレジットカードの使い方は日本と大きく変わりません。

欲しいものをレジまで持って行き、店員にクレジットカードを渡すだけです。

その際日本では、「こちらにサインをお願いします」と言われますが、海外では当然英語で言われます。

この時の英語は「Could you please sign here?」です。

相手に何か動作をお願いする時に使うのが「Could you please~?」なので、この言葉が出たらサインするタイミングだと覚えておきましょう。

クレジットカードのサインはパスポートのサインと同じである必要があるか

ホテルのフロントでパスポートを提示することもあるため、クレジットカードとパスポートのサインは同一でなければならないと考える人がいるようです。

しかし、クレジットカードのサインはパスポートと同じである必要はありません。

クレジットカードのサインはカードの所持者であることを、パスポートのサインはパスポート名義人であることを確認するためのものです。

それぞれの目的が違うので同じである必要はないのです。

まとめ

署名欄には必ずサインをしなければなりません。

ルールで決まっているというだけでなく、カードを利用したり補償を受けたりするために必要だからです。

特に海外で利用する時は、サインがない状態だと不正利用されてしまうリスクが大きくなってしまいます。

海外旅行の予定があるのであれば、事前に利用頻度の高いクレジットカードの裏面をしっかり確認し、きちんとサインがされているか、されていないのであればするようにしましょう。